英語を多読する効果とは?洋書の選び方とやり方を解説!

多読

「多読は英語学習に効果があると聞いたけれども本当でしょうか?」や、「頑張って洋書を読んでいるけれども、全然効果を感じられない!」と思われている人もいるかもしれません。

洋書を手に取ったものの、内容がほとんどわからずにすぐに挫折してしまったこともあるでしょう。

できることなら、英語を楽しく勉強したいと思って多読にたどり着いた人が多いと思います。多読はやり方と、自分のレベルに合った読む本を選ぶことによって非常に効果的な英語学習になります。

本文を読んで正しい多読の仕方を身につけ、楽しく英語の勉強をしていきましょう。

多読とは?

多読とは、英語で書かれた本を大量に読むことで英語力を向上させる勉強法です。

多読は、英語学習に非常に効果があるとされていましたが、あまり普及されてきませんでした。その理由の1つに、英語教師が薦める多読教材があまりにも難解であったということが挙げられます。

ほとんど理解ができない本を渡されたとしても、なかなか読もうとは思いませんよね。本来であれば、多読は中1レベルの英単語を知っていれば誰でもできるもので、自分のレベルに合ったごく簡単な英語の読みものや、英語で書かれた絵本から始めるべきなのです。

つまり、自分に合った教材を選び、多読することで英語力がアップするのです。

英語の多読にはどんな効果があるのか?

それでは多読には一体どのような効果があるのかを説明します。

リスニング力の英語力の向上

意外と思われる人もいるかもしれませんが、多読をすることでリスニング力がつきます。

なぜかと言うと、頭の中が英語脳になるからです。英語脳とは、英語を英語の語順のまま理解するということです。

実際に英語を聞くときは、左から右へスピーディーに理解しないといけませんよね。英語は日本語と語順が違うので、訳そうとすると後ろから意味を訳そうとします。そうすると、相手の話についていけなくなってしまいます。

多読をしていると英語を語順通りに理解できるようになるのに加えて、理解できない部分に足を引っ張られなくなります。理解できる部分だけをしっかりと聞き取れるようになるので、英検やTOEICのリスニング試験でも得点アップが望めます。

大量の英語をインプットできる

私たち日本人は、英語のインプット量が圧倒的に不足していると言われています。

中学生や高校生で触れる文字数はせいぜい10万語くらいだと思います。例えば、有名な映画である「ハリー・ポッター」は洋書で7冊出版されていますが、全て読むと100万語程度になります。

「日本人はインプットばかりで、アウトプットが全然足りない!」と言われがちですが、実はインプット量も全然十分ではないのです。

単語・文法を習得し、使えるようになる

多読をしていると同じ単語に何度も触れたり、イラストと一緒に単語を見ることでニュアンスがわかるので、単語数を増やすことができます。

例えば、”Squirrels”と聞いて意味がわかる人はあまりいないかもしれません。これがリスのイラストと一緒に説明されていたら、理解は容易になるでしょう。

また、多読をすることで使える英語を身につけることができます。私たちの多くは単語を一問一答式で覚えますが、その方法だと使える英語を身につけるのは難しいです。

多読だと、イラストを見たり、文脈を考えらがら単語の意味がニュアンスでわかるようになり、どのシチュエーションでどの単語を使うべきなのかがわかるようになります。

絵本や漫画から始めることで単語を日本語訳ではなく、イメージで覚えることができ、記憶に定着します。

リーディング・ライティング・スピーキング全てが上達する

多読による大量の英語のインプットは、リスニングやリーディングだけではなく、ライティングやスピーキングといったアウトプットにも生きてきます。

なぜなら、理解が可能な英語をたくさん読み込むことによって、たくさんの単語や英文をストックすることができるからです。

絵本の中でとても裕福な人が描かれていて、登場人物が”He is whealthy”と言っていたら、記憶に残りやすく、似たような場面に遭遇した時にも使えそうですよね。

このような感じで使える英語がどんどん身につくので、結果的にライティングやスピーキングも向上します。

楽しく英語が勉強できる

多読の一番のポイントは、英語を楽しく勉強できるということです。

自分のレベルに合った教材を選ぶことも大切ですが、最も大切なことは自分の興味のある教材を選ぶことです。

最近では英語で書かれた本が書店に多く並んでいますし、インターネットで自分の興味のある分野を調べればいくらでも英語で書かれた記事が出てきますよね。

楽しく勉強できれば長続きさせることができ、英語の勉強が苦痛ではなくなります。

多読をする際の4つのポイント

それでは肝心の多読の方法を説明していきたいと思います。多読で守ってもらいたいルールは4つです。

返り読みはしない

英語を漢文式のように返り読みしないようにしてください。

英語は日本語と語順が違うため、英語の語順に慣れる必要があります。

例えば、”I like to learn English”という文が合ったら、「私は好きだ」→「学ぶことが」→「英語を」といった順にです。ここでは、わかりやすくするために日本語訳を使いましたが、実際には英語を英語のまま理解するようにしてください。

英語の語順通り意味を理解できるようになることで、リスニング力が上がったり、英語を読むスピードが早くなります。

辞書は使わない

辞書は使わないようにしましょう。そもそも、英語の単語数は膨大で全ての単語を覚えるのは不可能です。これは日本語でも同じことが言えますよね。

ポイントは辞書を使わなくてもわかる本を選ぶことです。教材の選び方については後述しますが、初心者でも辞書なしで理解できる本はたくさんありますのでご安心ください。

辞書を使って一文一文読もうとすると、返り読みをしてしまったり、訳してしまうことになります。そうすると、多読の効果がなくなってしまいますのでご注意ください。

わからないところは飛ばす

英語は左から右の語順でどんどん読み進めていきますが、わからないところは飛ばしてください。

こうすることで、わかっている部分だけを繋げて読む力を培うこともできます。英検やTOEICの試験でもわからない部分は必ず出てくると思います。

そういったときにわかった部分を繋げ合わせて意味を類推する力は非常に大切です。

わからないところが多すぎた場合は、選んだ教材のレベルが合っていないのかもしれません。その場合、次の選択肢に進みます。

合わなければやめる

教材が難しすぎて30%くらいしか理解できなかったり、興味がなくて面白くなかった場合、その教材を使い続けるのはやめてください。

楽しく勉強できなければ、多読をやっている意味がありません。それであれば、一文一文をしっかり品詞分解しながら読む精読をやったほうがいいかもしれません。

自分に合わないと思った教材は一旦やめましょう。

多読で使う洋書の選び方とオススメ教材

多読で洋書を選ぶ際は、自分のレベルに合った興味のある本を選ぶことが大切です。多読をする際は、7〜8割以上理解できる本を選ぶようにしてください。

難しすぎる本を選ぶと間違いなく挫折しますし、興味のない本を読んでも全く楽しくないでしょう。多読をしても英語が上達しない原因として挙げられるのが、難しすぎる教材を選んでしまったり、面白くない教材を使っていたりするケースが多いです。

過去にスラスラ読めない経験をしたことがある人はおわかりだと思いますが、難解な本で多読をしても、基礎力をつけることができません。

反対に容易に理解ができてかつ自分の興味のある分野の本だと、前向きに取り組むことができます。

英語初心者は、1ページに1,2行しか文字が書かれている子供向けの絵本や写真集から始めるのがいいでしょう。

Oxford Reading Tree

Oxford Reading Tree(ORT)は、イギリスの80%以上の小学校で採用されている教科書です。

かわいいキャラクター達が登場する絵本で、すべてネイティブが使う自然な英語でつづられています。レベルごとに分かれており、簡単なレベルだと1ページに文が1つしかありません。

イラストと共に生の英語に触れることで、英語力をつけていくことができます。

Oxford Reading Tree『Read With Biff, Chip And Kipper』Level(Stage) 1~3 33冊セット

絵本

いわゆる普通の絵本です。ネットでは、100円〜高くても1000円くらいで購入することができます。有名な作品をいくつか紹介して起きます。

  • 眠れる森の美女 (Sleeping Beauty)
  • 腹ペコ青虫 (the Very Hungry Caterpiller)
  • ピーターラビット (the Tale of Peter Rabbit)
  • あかずきん (Little Red Riding-Hood)
  • ジャックと豆の木 (Jack and the Beanstalk)
  • 三匹の子豚 (The Three Little Pigs)

馴染みのある作品が手元に置いてあると、ついつい読みたくなってしまうものです。

絵本から多読を初めて、少しずつ力がついてきたら、文字だけの教材に挑戦してみましょう。

Graded Readers

オススメは、英語学習者向けに書かれているGR(Graded Readers)です。

日本語に訳すと「段階別の読み物」です。出版社ごとに独自のレベル設定があり、段階ごとに使用する語彙や文法が制限されています。

GRには音声付きのものも多いので、音を聴きながら読み進めていくのもオススメです。

GRの中でも、ラダーシリーズには「美女と野獣」のような有名な作品が多数あります。他のGRと違って、時代背景や登場人物紹介などが巻末に日本語で解説されています。本のカバーもしっかりしていて、非常に手に取りやすいです。

多くの書店で取り扱っているので確かめてみてください。また、IBCパブリッシングで試し読みをすることができます。


美女と野獣 Beauty and the Beast (ラダーシリーズ Level 1)

 

まとめ

ここまで、多読の効果や、具体的なやり方を紹介してきました。

多読をする際に、大切なことは2つです。

  • 自分のレベルに合った教材を選ぶ
  • 読むときには、4つのポイントを守る

多読は楽しみながらやることが重要です。自分の興味のある教材を選んで多読をするようにしてください。

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