英語学習にはディクテーション・リピーティング・シャドーイングという勉強法がありますが、それぞれどのような効果があるのかご存知でしょうか。
すべてリスニング力の向上に効果があるというのは知っているけれども、それぞれのトレーニングで得られる効果が違うというのはわからないものですよね。
実はディクテーション・リピーティング・シャドーイングのそれぞれが得意な範囲が異なるので、きちんとトレーニングの効果を知ることで自分の苦手な分野を集中的に勉強することができるようになります。
本文ではそれぞれのメリットとデメリットについて紹介します。ディクテーション・リピーティング・シャドーイングの違いを知って、正しい使い分けができるようにしましょう。
Contents
ディクテーション

ディクテーションのメリット
ディクテーションの最大のメリットは、知らない音=自分の弱点を発見できるということです。
英語には日本語にない音が40個以上あるだけでなく、単語と単語がある一定の法則で結ぶつくことで発音が変わってしまう(音声変化)ことがあります。
リピーティングやシャドーイングでは、音を一つ一つ確認する暇がないのでどこが自分の弱点なのかを明確に分析することができません。
ディクテーションは、聞こえた音を書き取るという作業を繰り返し行うことができます。10回繰り返しても書き取れない部分があなたの弱点となり、その弱点への対策を立てることができるようになります。
ディクテーションのデメリット
ディクテーションのデメリットは2つあります。
- 時間がかかる
- 根本的な発音改善はできない
音声を繰り返し聞いて書きとらなければならないので時間がかかります。なので、一回で大量の英語音声をディクテーションするというのは難しいです。
また、ディクテーションは自分の弱点を発見することができますが、発音の改善はできないということです。
よくディクテーションをして満足し、勉強を終わりにしてしまう人見かけますがそれでは自分の弱点を克服することはできません。
ディクテーションをした後、リピーティングやシャドーイングをして今まで自分で言えなかった音を言えるようにすることが大切です。
なので、ディクテーション自体では単なる弱点を発見する段階に過ぎず、英語力が向上するわけではないのでご注意ください。
シャドーイング

シャドーイングのメリット
シャドーイングのメリットは、音声を正確に再現できるということです。
音声が流れた後、すぐに自分でも同じ音を発するため、ほぼ正確に音声を真似ることができます。
聞き取れない音を聞き取れるようにするには、自分でその音声を正確に再現できるようになることが大事です。
人間の脳は自分の知っている音に直したがる習性がありますが、シャドーイングの場合は自分の知らない音だとしても正確に近い発音を再現することができます。
音に関して言うとリピーティングよりもシャドーイングのほうが優れています。
シャドーイングのデメリット
最初はほとんど意味がわからないまま音だけを再現することになります。
音の再現にほとんどの集中力をもっていかれるので、話されている英語がどうゆう意味を持つのかを考える余裕がありません。
しかし、なんども繰り返すことによって音への作業負担が減り、意味処理もできるようになってきます。
繰り返し作業をすることによって、シャドーイングのデメリットは軽減されていると考えていいでしょう。
リピーティング

リピーティングのメリット
リピーティングのメリットは、英語の短文記憶力が向上するということです。
なぜなら、リピーティングは聞こえた音声をしばらく記憶しておく必要があるからです。
英語音声が流れた後にそのセンテンスを復唱するので、声を出すまでに少し時間があります。その間、聞いた音を忘れないように頭に留めておく必要があります。
英会話やリスニングのテストでも聞こえた音声を一時的に記憶しておかなければなりません。英語の短文記憶力がないと、試験で音声を聞いた後に「あれ?今なんて言ってたんだっけ?」となってしまうことがあります。
リピーティングのデメリット
リピーティングでは、音声を正確に再現できないことがあります。
人間の脳は自分の知っている音に直したがる習性があるからです。
リピーティングでは音声を聞いてから声を出すまで少し時間があります。そのため、知らず知らずのうちに自分の出す声が聞き取った音声とは微妙に異ってしまうことがあるのです。
繰り返し行うことによって改善することができますが、音声再現ではシャドーイングのほうが効果が高いと言えます。
どのような順番でトレーニングを行えばいいのか?
それでは、ディクテーション・リピーティング・シャドーイングをどのように組み合わせていくのが最適なのかを説明したいと思います。
初心者の場合
初心者の場合は、弱点を発見してから声に出してトレーニングをするのがオススメです。
ディクテーションを最初にやってから、シャドーイングorリピーティングをやるようにしましょう。
ディクテーションで何回か音声を聞いていますが、自分で声に出そうとしても最初はなかなかうまくいきません。繰り返しトレーニングするようにしてください。
シャドーイングやリピーティングに慣れてきたら、ディクテーションで聞き取れなかった音を意識しつつ声に出すトレーニングをやりましょう。
中級者の場合
- シャドーイングorリピーティング→ディクテーション→シャドーイングorリピーティング
最初に音声トレーニングをして、わからない音が多ければディクテーションをします。そして再び音声トレーニングを行います。
上級者の場合
スピーキング力を上げるためのシャドーイングorリピーティングをやります。
意味を考えながら声に出すようにしてください。
自分の頭の中で意味を考えながら話すことは、実際に英会話をするときと同じ思考回路を辿ります。
こうすることで、スピーキング力もつけることができます。
まとめ
ここまでディクテーション・シャドーイング・リピーティングの効果の違いとトレーニングの順番について紹介しました。
どのトレーニングにもメリット・デメリットがあるので、それぞれのいいところを生かしてトレーニングするようにしてください。
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